2016年は人のモノを、2017年は共に成長してきた馬のモノを。/西本 敬子

HORSE LOVER kc.西本敬子さん

日本人のスタイルに合わせた新しい乗馬ウェアを取り扱っているHORSE LOVER kc.の西本敬子さん。自身の乗馬経験を生かして、実用性とファッション性を兼ね備えた新しい商品を生み出しています。HORSE LOVER kc.では、馬とライダーをつなぐ新しいアイテムが、Whyとのコラボレーションによって、続々と誕生しています。

——Whyとの関わりはいつ頃から始まったのでしょうか?

共通の知人を介して知り合い、2年前に紀の国わかやま国体で販売をスタートしました。初めて見たときから、売ることではなく、「どれを買おう?」と自分もお客様と一緒になって悩んでいたのを覚えています。

ブースで出展しているときに、「あのバッグの色違い持ってる」「あ、あれ同じ乗馬クラブで持っている人いたよね!」という方の購入が増えていったように思いました。

——そこからWhyの50周年記念として、コラボ商品であるライダーズバッグとガーメントケースの開発が始まったんですね。

「自分たちのほしい物を」というのをコンセプトに、デザイン性の高い商品を作りました。馬に乗る方は、意外と電車で乗馬クラブに通っている方も多いので、街中に持って出かけたくなるようなデザインで、幅広い世代の方が使えるような商品を目指しました。

Whyの素材は雨や汚れに強いので、機能性はバッチリ。実際に、どんな機能があったらいいか、デザインの希望など、馬に乗っている方やプロの方にお話を聞いて、使い勝手の良い物ができました。ライダーズバッグはタウンユースできるデザインなので、馬に乗らない方でも買い物バッグとしてお使いいただけます。Whyの技術と私たちの想いが重なり合った素敵なアイテムが生まれました。

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Whyとの打合せにて

——お客様からの評判はいかがでしたか?

ご好評をいただいています。カラーバリエーションが豊富なので、乗馬クラブに10個ほど色違いで並んでいるところを見ました。みなさん、お好みの色や自分のテーマカラーを決めて選ばれているようですね。自分の作った物が並んでいるのを見るのは、とてもうれしいです。50年の伝統あるブランド「Why」だからこそ、作れたアイテムだと思います。

——馬と一緒に成長してきた西本さんだからこそ、こだわった点は多いのではないでしょうか?

自分も馬に乗るからこそ、どこに・どんなポケットがあったら便利なのか、どんな形がいいのか、常に試行錯誤しながら作りました。趣味として乗馬を楽しまれている方やプロフェッショナルのライダーにも直接お話を伺い、誰にとっても使いやすいアイテムになるよう心がけました。

馬に乗っている方だけでなく、乗っていない方にも使っていただけるようなアイテムを作りたいと思っていたので、Whyとのコラボでその想いが形になり、とてもうれしいですね。

ライダーズバッグとガーメントケース
ライダーズバッグとガーメントケース

——2017年のコラボでは、グルーミングバッグとキャロットポーチが生まれましたね。

「人のモノの次は、馬のモノ」というコンセプトで作りました。グルーミングバッグだけれど、タウンユースできるように、かわいらしいデザインにしました。

Whyの生地の魅力は、さっと拭くだけで、汚れが落ちるところ。取っ手も洗えるようになっているし、雨にも強いので、お手入れが簡単なのに、長持ちします。厩舎では物が汚れるのが当たり前なので、汚れに強いというのはとても魅力的だと思うんです。この機能性の高さは、馬に乗らない方も使いたくなると思います。

キャロットポーチは、名前の通り、ニンジンや角砂糖を入れてもいいのですが、小銭や携帯電話を入れられるように、というのを念頭に作りました。ライダーにとって、貴重品入れのサイズは試合にも関わってくると思うので、脚に当たらない大きさになっています。馬と過ごす時間だけでなく、犬の散歩やジョギングなどにも使えるようにしました。

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2017年に誕生したグルーミングバッグとキャロットポーチ

——製作する上で、こだわった点などがあれば教えてください。

特に、ファスナーにはこだわりました。乗馬グッズや乗馬ウェアに使われているほとんどのファスナーは、馬の毛やホコリが詰まってすぐに開きづらくなってしまいます。グルーミングバッグもキャロットポーチも、馬と接するときに使うものなので、壊れることのない丈夫な素材を選びました。また、男性のライダーも使いやすいよう、カラーバリエーションを豊富に揃えました。男性が腰に付けていたら、スタイリッシュでかっこいいと思うんです。

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馬術選手の武田麗子さんに新商品をお披露目。アイテムを手に取りながら選手に意見を聞くなど、より良い商品を作るための情報収集は欠かせない。

——今後やってみたいことはありますか?

Whyのハーネスライトバッグがとても気になっています。かわいさと上品な光沢感、それに加えて、実用的な軽さが備わっているのは、とても素敵だと思います。この素材を使って新たなアイテムを作ることができたら、とても楽しそうですね。
商品作りだけでなく、一緒に乗馬大会を盛り上げていけるような企画をどんどんしていけたらいいですね。

西本 敬子 Keiko Nishimoto
神戸生まれ。乗馬ウェアや馬具のデザイン・輸入販売を行っている、今年10周年をむかえる「HORSE LOVER kc.」の代表取締役社長。Why創立50周年を記念し、コラボレーションアイテムを発売。ライダーのこだわりを活かしたファッションと一流の馬具を提供している。
horselover-kc.com